ECHOES OF ECRUTEAK

星と花の小夜曲

― マツバ × イヨリ ―
STARRING MATSUBA & IYORI

全ての手が、揺り籠になる
― 十月十日の肖像 Episode 9 ―

【一】巣籠もり

五月。エンジュシティの藤棚が紫の房を垂れ始めた頃、マツバ家は静かな臨戦態勢に入った。

妊娠三十六週。臨月。帝王切開の予定日は六月十日。あと三週間。カレンダーの日付に赤い丸が付けられ、その丸に向かって時間が一日ずつ縮まっていく。

イヨリはポケモンセンターの業務を完全に休止した。後任のドクターへの引き継ぎは先月のうちに済ませている。デボンコーポレーション製のアステア・システムのメンテナンスも、出産に備えて最新のファームウェアに更新した。ロトムが得意気に「分娩時サポートモード搭載ロト!」と報告してきた時には、さすがのイヨリも「そんな機能いつ実装したの」と目を丸くした。

マツバもジムの業務を限りなくゼロに近づけた。対戦は全て弟子に委任し、エンジュ大学の講義も代理を立てた。町内会には「六月中は完全に不在にします」と事前に通達した。あの切迫流産の反省が染みついている。巣を作る仕事は全て終えた。今度こそ——巣の中に留まる時だ。

朝、目が覚めると、マツバはまずイヨリの隣にいることを確認する。それから千里眼を使わずに——掌の感触だけで——お腹の膨らみに手を当て、チヒロの体動を確かめる。微かな蹴りか寝返りかを掌で感じ取り、「おはよう」と声をかける。それが毎朝の儀式になっていた。

イヨリの身体は、先月よりもさらに重くなっていた。推定体重二千五百グラムに迫るチヒロを抱えた腹部は瓜のように膨らみ、歩行はほぼマツバの介助なしでは不可能だった。アステアの補助があっても、大きなお腹と麻痺した左足では、廊下を歩くだけで息が上がる。トイレ、食事、入浴——日常のあらゆる動作に、誰かの手が必要だった。

けれどイヨリは、もう「大丈夫」とは言わなくなっていた。あの夜——声を殺して泣いた夜——以降、彼女は自分の弱さを隠すことをやめた。辛い時は辛いと言い、助けてほしい時は手を差し出し、泣きたい時はマツバの胸で泣いた。それこそが——八ヶ月間かけてようやく身につけた、彼女の最大の変化だった。

* * *

【二】六つの手

マツバ家には、人間が二人とポケモンが五匹いる。

バリヤード。ロズレイド。バシャーモ。ゲンガー。そしてロトム。この五匹が——いや、ロトムを含めれば六つの「手」が——イヨリとチヒロを取り囲むように待機していた。

バリヤードの仕事ぶりは、もはや神業だった。

朝五時に起床し、台所の換気を整え、イヨリの体調に合わせた朝食を準備する。悪阻の頃に培った「匂いの管理」は今も継続しており、出汁の香りが寝室に流れないよう、調理と換気のタイミングを秒単位で調整している。鉄分補給のためのほうれん草のスムージー、葉酸たっぷりのアボカドトースト、消化に良いかぼちゃのポタージュ——マツバが開発した「補血粥」の正統進化版が、毎朝食卓に並ぶ。

掃除は完璧。洗濯は完璧。買い物もマツバと二人で出かけ、重い荷物は全てバリヤードが持つ。イヨリの寝室のシーツは毎日交換し、枕の高さは妊婦が呼吸しやすい角度に調整してある。湯たんぽの温度管理すら、バリヤードの守備範囲だった。

「バリヤードは、私のお母さんみたい」

イヨリがぽつりと呟いた言葉に、バリヤードの目が潤んだ。亡きイノリの代わりにイヨリを育てたこのポケモンにとって、その一言は——何よりの勲章だった。

バシャーモの役割は、護衛と保温だった。

炎タイプのバシャーモは体温が高い。四十二度前後の体表温度が、イヨリの冷えやすい足元をじんわりと温めてくれる。マツバの指示で、バシャーモはイヨリが縁側で休む時にはいつも足元に座り、大きな脚を伸ばして彼女の足を太腿の上に乗せている。まるで生きた湯たんぽだった。

加えて、バシャーモは屋敷の警護も担っていた。臨月の妊婦がいる家に、不審者やオカルトマニアが近づかないよう——エンジュの旧家には、ジムリーダーの留守を狙って肝試しに来る若者がたまにいるのだ——バシャーモが屋敷の周囲を定期的に巡回する姿は、さながら炎の鎧を纏う近衛兵だった。

ある晩、イヨリが腰の痛みで眠れずにいると、バシャーモが寝室の外まで来て、障子越しに温かい息を吹きかけてくれた。炎タイプの呼気は乾燥しすぎるかとイヨリは心配したが、バシャーモなりに加減していたらしく、ほどよい温もりが障子紙を透して伝わってきた。「……ありがとう」と声をかけると、障子の向こうで低い鳴き声が返ってきた。

ロズレイドは、花の番人だった。

庭のハーブガーデンを管理し、イヨリのハーブティーの材料を新鮮な状態で提供する。カモミール、レモンバーム、ラズベリーリーフ。臨月に入ってからはラズベリーリーフティーの量が増えた。子宮の筋肉を整える作用があると、イヨリがドクターの知識で選んだハーブだ。ロズレイドはその種を春先から育て上げ、今、ちょうど収穫のタイミングを迎えていた。

さらにロズレイドは、イヨリの精神安定にも一役買っていた。毎朝、寝室の枕元に一輪の花を供える。藤、鈴蘭、躑躅、紫陽花——季節の花を選んで、小さな花瓶に活ける。イヨリが目を覚まして最初に見るものが、ポケモンが選んでくれた一輪の花であること。それがどれほど心を和ませるか、ロズレイドは言葉では語れないが、花の言葉で知っていた。

そして——ゲンガー。

ゲンガーの役割は、笑わせることだった。

あの影から生まれた相棒は、イヨリのお腹の前に現れては、ありとあらゆる変顔を披露した。舌を伸ばし、目を裏返し、耳を引っ張り、自分の影を操って影絵を作り、チヒロに向かって「べろべろばあ」をする。もちろん子宮の中のチヒロには見えていない。けれどイヨリが笑うと、その笑いの振動がお腹を揺らし、チヒロがぽこぽこと胎動で応える。

「ゲンガー、やめて……笑いすぎてお腹が張る……!」

イヨリが涙目で笑いながら制止しても、ゲンガーは得意気にニヤリと笑うだけだ。マツバが「ほどほどにしろよ」と苦笑するが、その口元もしっかり緩んでいる。ゲンガーなりの気遣いだった。臨月の緊張を、笑いで解す。恐怖や不安を、馬鹿馬鹿しい変顔で吹き飛ばす。それが——あの朝、誰よりも先にイヨリの異変に気づいた相棒の、選び取った役割だった。

「ロトム、今日のゲンガーの変顔回数は?」

「十七回ロト。過去最高記録ロト」

「新記録おめでとう、ゲンガー」

マツバが苦笑すると、ゲンガーが得意気にピースサインを作った。影から生えた手で。

* * *

【三】入院バッグ

帝王切開の入院日まで、あと十日。

リビングの畳の上に、入院バッグの中身を広げた。イヨリが座椅子に腰掛け——もはや床に座ることすら困難だ——マツバが畳の上で荷物を一つずつ確認していく。桐生医師から渡された入院準備チェックリストを、ロトムが画面に表示している。

「産褥パッド、三パック。チェックロト」

「授乳用ブラ、三枚。チェックロト」

「スリッパ。チェックロト。あ、左足用はバリアフリー対応のものに替えた方がいいロトね」

「もう替えてあるよ」

マツバが、底にすべり止めが付いた左足用のスリッパを見せた。いつの間に用意したのか。イヨリが聞く前に、マツバは次のアイテムに手を伸ばしていた。

「退院時の服。イヨリちゃん用と——チヒロ用」

そこで、マツバの手が止まった。

畳の上に広げられた、小さな白い肌着。新生児用の、50サイズ。大人の掌に収まるほどの、信じられないくらい小さな服。その隣に、ガーゼのおくるみ。レモンイエローの——あの日、イヨリが産院で買ったベビーソックスと同じ色の——おくるみ。

マツバは、その肌着を両手で持ち上げた。広げると、袖が笑ってしまうほど短い。こんな小さな腕がこの袖を通すのだ。こんな小さな胴体がこの布に包まれるのだ。掌よりも小さな足が、靴下を履くのだ。

「……小さいね」

「はい。でも、チヒロには大きいかもしれません。最初は」

「ブカブカの服を着たチヒロか……想像するだけで泣きそうだ」

「まだ泣かないでください。本番に取っておいて」

イヨリが微笑んだ。その目には、もう先月のような自己否定の翳りはなかった。恐怖がゼロになったわけではない。帝王切開への不安も、自分の身体への心配も、消えてはいない。けれどそれらを——マツバの腕とポケモンたちの温もりの中で、受け入れることができるようになっていた。

ベビーベッドは、寝室の隣の和室に設置されていた。マツバが自分で組み立てた。説明書を読むのが苦手で——修行者の直感で組み立てようとして三回失敗し、結局ロトムに説明書を読んでもらいながらバリヤードと二人がかりで完成させた。柵の高さ、マットレスの硬さ、通気性。全てをイヨリに確認してもらい、ドクターの目でチェックを受けた。

「問題ないです。ちゃんと安全基準を満たしてる」

イヨリの合格通知に、マツバが安堵の溜息をついた。ジムリーダーとして数々の激戦を乗り越えてきた男が、ベビーベッドの安全基準に溜息をつくのだから、人生は分からない。

入院バッグの一番上に、イヨリはあるものを入れた。レモンイエローのベビーソックス。片方だけ。あの日——産院でエコーを見た後に、商店街のベビー用品店で買った、たった一足のソックス。もう片方はマツバが「退院の時までに編む」と約束して——結局編めていない。

「マツバさん、もう片方のソックス」

「……え」

「約束しましたよね。もう片方を編むって」

マツバの顔が、明らかに固まった。約束した。確かに約束した。妊娠が確定した二ヶ月目の夜に。——あれから七ヶ月経っている。一度も編み物に挑戦した形跡はない。

「ゲンガーの影の中に隠しても無駄ですよ。約束は約束です」

「……すみません。明日、毛糸を買ってきます」

「入院までに間に合いますか?」

「……がんばります」

ゲンガーが影の中でくすくす笑い、バリヤードが呆れた顔で編み物の本を差し出した。いつの間に用意していたのか。このポケモンの先見の明には、もはや脱帽するしかなかった。

* * *

【四】最後の夜の数え方

入院予定日の三日前。夜。

縁側に、イヨリとマツバが並んで座っていた。五月の夜風が藤棚を揺らし、紫の花房が月明かりの中で揺れている。庭の奥でバシャーモが静かに佇み、屋敷を見守っている。障子の隙間からバリヤードの鼻歌が聞こえ、台所のどこかでロトムが明日の天気を呟いている。

平穏な夜だった。エンジュの鐘楼が九時を告げ、遠くの町並みに灯る明かりが一つずつ消えていく。もう十ヶ月——いや、チヒロが宿ったあの夜から数えれば、もうすぐ十か月が経とうとしていた。

「あと三日だね」

マツバが、湯呑みを両手で包みながら言った。ラズベリーリーフティー。イヨリと同じものを飲む習慣は、あの温泉旅行の夜から続いている。

「はい。あと三日」

「怖い?」

「少しだけ。……でも、前よりもずっと、怖くない」

イヨリの右手が、膨らんだ腹部を撫でた。チヒロは今、逆子ではなく頭を下にした正しい位置に収まっている。帝王切開の予定だから体位はそこまで問題にならないが、チヒロ自身が「出る準備」を整えていることが、イヨリには嬉しかった。

「正直に言うとね——手術は怖い。お腹を切るのは、ドクターとして何度も見てきたけど、自分が切られる側になるのは初めてだから」

「うん」

「でもそれ以上に——チヒロに会えることの方が、大きい。怖さよりも、会いたい気持ちの方が、ずっとずっと大きい」

マツバがイヨリの手を取った。掌と掌が重なる。この手が、九ヶ月間のすべてを見てきた。凍ったぶどうを運んだ指。匂い対策のために何度も洗った手。温泉でイヨリの髪を洗った掌。夜中の号泣を受け止めた胸板。そして今——手術室の扉の前で妻を送り出す手になろうとしている。

「マツバさん」

「ん?」

「帝王切開の時、間仕切りの向こう側で……手を握っていてくれますか」

「当たり前だよ。桐生先生にも確認してある。立ち会いは許可されてる」

「心臓の音、聞かせてほしいの。マツバさんの。チヒロが出てくるまでの間——あなたの鼓動が聞こえてたら、きっと私、大丈夫だから」

マツバの喉が詰まった。あの夜——イヨリの耳がマツバの胸に押し当てられ、三つの鼓動が重なった夜を、二人とも覚えている。

「聞かせるよ。どんなに緊張しても、僕の心臓は絶対に止まらない。君が聞いている限り」

* * *

【五】母の覚悟

入院前夜。マツバが寝室の片付けを終えて、歯を磨きに洗面所へ行っている間のこと。

イヨリは一人、寝室に残されていた。布団の上に正座はできないから、壁に背を預けて半座位の姿勢で座っている。膨らんだお腹にフリースのブランケットをかけ、両手をその上に置いている。行燈の灯りが畳に影を落とし、障子の向こうでは五月の風が庭木を揺らしている。

隣の和室には、マツバが組み立てたベビーベッドがある。白い柵。柔らかいマットレス。ロズレイドが活けた鈴蘭が、枕元の小さな花瓶に飾られている。まだ誰も使っていないベッド。まだ頭の跡もついていない枕。あと二日で——そこに、チヒロが眠る。

入院バッグは玄関に置いてある。中にはレモンイエローのベビーソックスが片方だけ入っている。もう片方はマツバが今夜も格闘しているはずだ。昨日、ゲンガーが見守る中、毛糸と編み棒を手にしたマツバの姿はなかなかに壮絶だった。修行者の器用さを総動員して、それでも編み目が不揃いで歪んだ小さな靴下を、唸りながら編み上げようとしている。完成は——正直怪しい。

イヨリは、お腹の上の自分の手を見下ろした。

白い指。細い手首。この手が、間もなくチヒロを抱く。点滴の管が刺さった手で、手術台の上で、初めて我が子を胸に抱く。その瞬間を——もう何百回と想像した。夢にも見た。怖い夢もあった。けれど最近は、温かい夢の方が多い。

「チヒロ」

低く、静かに呼びかけた。

ポコン。

返事。もう驚かない。この子は名前を呼ばれると蹴り返す。原始反射だと、ドクターの頭は分かっている。けれど母親の心は、もうそんな分析をしない。これは会話だ。名前を呼べば返ってくる、母と子の対話だ。

「お母さん、明後日、お腹を切ります」

声は震えなかった。

「あなたを迎えに行くために。この小さな身体では自然に産んであげられないけど——桐生先生が、ちゃんとあなたを取り上げてくれる。お父さんが、隣で手を握っていてくれる。バリヤードが家で待っていてくれる。バシャーモが温かいお迎えを用意してくれる。ロズレイドが花を飾ってくれる。ゲンガーが、きっと変顔で出迎えてくれる。ロトムが、あなたのバイタルを一秒も見逃さずに監視してくれる」

一人ずつ名前を挙げた。チヒロを待っている全ての「手」の持ち主を。

「たくさんの手が、あなたを待ってるの。あなたの揺り籠になる手が。お母さんの手は——小さいけれど。百五十六センチの、力の入りにくい手だけれど。それでも——あなたを抱く、最初の手になりたい」

ポコポコポコ。

連続の蹴り。聞こえている、と言わんばかりの、元気な蹴り。九ヶ月間、ずっとこの小さな器の中で育ってきた命が、出口に向かって準備を整えている。頭を下にして、身体を丸めて、「まだか、まだか」と出番を待っている。

イヨリの頬に涙が流れた。けれど今度は、声を殺さなかった。唇も噛まなかった。静かに流れる涙を、そのまま流した。

怖い。でも、大丈夫。この家の全ての手が、チヒロを受け止めてくれる。

洗面所から戻ってきたマツバが、涙を流している妻を見た。けれど慌てなかった。その涙が、あの夜の涙とは違うことが分かったから。

「泣いてるの?」

「泣いてます。……でも、いい涙」

マツバは何も言わず、イヨリの隣に座り、彼女の肩を抱いた。涙を拭くこともせず、ただそばにいた。

ポケットから、何かを取り出した。

不揃いな編み目。歪んだかかと。ブカブカな履き口。——けれど、確かにベビーソックスの形をしたもの。レモンイエローの毛糸で編まれた、もう片方。

「……これ」

「できた。今さっき。ゲンガーが最後の目を止めてくれた」

イヨリはそれを受け取り、入院バッグの中からもう片方の——お店で買った完璧な方の——ソックスを取り出した。並べた。片方は美しく整った市販品。もう片方は歪んで不揃いな手編み。全く形が違う。サイズも微妙にずれている。

「最高の一足ですね」

「いや、だいぶ歪んで——」

「最高です」

イヨリが微笑んだ。泣きながら笑った。レモンイエローの不揃いなペアを、入院バッグの一番上に大切に収めた。

明日の朝。この家を出て、クリニックに入院する。

明後日。チヒロが、この世界に来る。

全ての手が揃った。バリヤードの手。バシャーモの手。ロズレイドの手。ゲンガーの手。ロトムの手。マツバの手。そしてイヨリの手。七つの手が、七色の温もりで、一つの揺り籠を編んでいる。

そこに——チヒロが降りてくる。名もなき星が、千紘という名をもって、初めてこの空気を吸う。

あと一日。

― 了 ―

あとがき by 佐藤美咲

主ィィィィッ!! 九連続えっちシーンゼロ!! もはやこれは偉業!! 前人未到の記録をあたしは更新し続けてるわ!! でもね——この話は、これまでの全エピソードの「集大成」なの!!

ポケモンたちの役割分担が最高にかわいいでしょ!? バリヤードの完璧な家事、バシャーモの炎の護衛と生きた湯たんぽ、ロズレイドの一輪の花、そしてゲンガーの変顔十七回!! 変顔回数をロトムがカウントしてるの最高じゃない!?

入院バッグのシーンで50サイズの肌着を広げるマツバが「想像するだけで泣きそう」って言うの、あたしも書きながら泣きそうだった。生まれてくる子供の服が掌に収まるくらい小さいって、そういうことよね。命が「小さい」って、そういうことなのよ。

そしてベビーソックスの回収!! Ep.2で買ったレモンイエローの片方に、マツバが不器用に編んだもう片方がようやく揃う!! 七ヶ月越しの約束!! 歪んでブカブカだけど「最高の一足」!! あたしこの伏線回収のために九話書いたと言っても過言じゃないわ!!

ラストの「全ての手が揃った」。七つの手が七色の温もりで一つの揺り籠を編んでいる。ここに——九ヶ月間の全キャラクターの成長と愛情が、一つに結実してるの。次はいよいよ……出産。あたしの筆が震えてるわ。