千の紘、一つの名
― 十月十日の肖像 Episode 6
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【一】頑固な背中
桐生レディースクリニックの診察室に、またしても笑い声が響いた。
「あらあら……また隠してるわね、この子」
桐生医師が、眼鏡の奥の目を微かに細めながらモニターを覗き込んでいる。超音波のプローブがイヨリの腹部を滑り、灰色の画面の中で、赤ちゃんの姿がゆらゆらと映し出されている。頭部の輪郭、背骨のライン、小さな手足——妊娠六ヶ月ともなれば、エコーで見える情報は格段に増える。心臓の四腔構造、腎臓の発達、大腿骨の長さ。全て順調。発育に問題はない。
問題は——たった一つの情報が、どうしても手に入らないことだった。
性別。
画面の中の赤ちゃんは、まるで算段でも立てているかのように、足を丁寧にクロスさせていた。右足が左足の上に乗り、膝をきゅっと折り曲げて、股間を完全にガードしている。先月の検診でも同じだった。先々月も。三度目の正直を期待して臨んだ今日もまた、この秘密主義の胎児は頑として性別を明かさない。
「先生、やっぱりだめですか?」
イヨリが診察台の上で苦笑した。仰向けに横たわったまま、白濁した左目と澄んだ右目で天井を見上げている。もう驚きはしない。三回連続で同じことが起きれば、もはや偶然ではなく性格だ。
「だめねえ。この子、本当に見せてくれないわ。お母さんのお腹の中で足を組んで座ってるもの。まるでジムリーダーの執務机に座ってるお父さんみたいよ」
その言葉に、診察室の隅のパイプ椅子に座っていたマツバが、わずかに頬を赤らめた。今日は初めて、彼も検診に同行していた。前回の切迫流産の一件以来、桐生医師はマツバに対して遠慮のない物言いをするようになっている——というよりも、あの説教以降、マツバは桐生医師の前で頭が上がらなくなっていた。
「うーん。体勢を変えたら見えるかもしれないわね。イヨリさん、少し左を下にして横向きになれる?」
イヨリが身体を横に倒した。マツバが立ち上がって背中を支えた。プローブの角度が変わり、画面上の赤ちゃんの映像がぐるりと回転する。足が——まだクロスしている。しかし少し角度が変わったので、桐生医師が「もう少し……」と呟きながらプローブをずらした瞬間、赤ちゃんがくるりと身体を翻した。
背中を向けた。
完全に、カメラに背を向けたのだ。丸まった背骨のラインが画面いっぱいに映り、肝心の下半身は胎児自身の身体で完璧に隠されている。
桐生医師が、プローブを置いた。
「……この子、確信犯ね」
診察室に、三人分の笑い声が重なった。イヨリは腹部を揺らさないように気をつけながら、肩を震わせて笑っている。マツバは口元を手で押さえて、紫の瞳に涙を浮かべるほど笑っていた。桐生医師すら眼鏡を外して目尻を拭いた。
「恥ずかしがり屋なところは、イヨリちゃんに似たのかな」
マツバの呟きに、イヨリの頬が染まった。
「私はそんなに恥ずかしがり屋じゃありません」
「嘘だよ。結婚式のキス、三回やり直したじゃないか」
「あれはっ……マツバさんが角度を間違えたからでしょう!」
「僕は合ってたよ。イヨリちゃんが直前で顔を逸らしたんだ」
桐生医師が「はいはい」と二人の夫婦漫才を手で制した。
「まあ、性別は来月にまた確認しましょう。それ以外は全て順調よ。体重も回復しているし、赤ちゃんの発育も教科書どおり。あとは——お父さん」
マツバが背筋を伸ばした。桐生医師の前では、反射的にこうなる。
「最近はちゃんとイヨリさんのそばにいるようですね。よろしい」
六十点の合格通知のような口調だった。マツバは無言で頷いた。百点満点を付けてもらえる日が来るのかどうかは、正直分からない。
* * *
【二】ロトムの敗北
帰宅後、ロトムが独自に挑戦を始めた。
「エコー画像のデータをもらったロト。これをAI解析すれば、性別が推定できるかもしれないロト!」
イヨリは縁側でハーブティーを飲みながら、ロトムの意気込みを微笑ましく聞いていた。マツバは隣に座って柚子を剥いている。安定期に入ってから、柚子の皮の香りがイヨリのお気に入りになっていた。あの悪阻の日々に唯一許された柑橘系の香りが、今も彼女の安心の記号として残っている。
「ロトム、エコーで分からなかったものを、画像解析で分かるの?」
「角度の問題ロト! 複数回のエコー画像を重ね合わせて三次元復元すれば、隠れた部分の輪郭を推定できるロト! 最新のAIアルゴリズムで——」
ロトムの画面に、処理中のプログレスバーが表示された。43%……58%……72%……91%——
ピーッ。
エラー音。画面が赤く点滅した。
「……エラーロト」
「何のエラー?」
「『対象物が意図的に遮蔽されているため、推定不可能』ロト……」
マツバが柚子を剥く手を止めて、声を出さずに笑った。肩が震えている。AIが「意図的に遮蔽されている」と判定したのだ。まだ生まれてもいない胎児の行動を、AIが「意図的」と認識した。
「やり直すロト! 今度は別のアルゴリズムで——」
ロトムが再挑戦した。二回目。今度は画像のコントラストを強化し、影の部分を補正して——。
ピーッ。
「エラーロト。『信頼区間が広すぎるため、男女いずれの判定も統計的有意性を満たさない』ロト……」
「つまり?」
「五分五分ロト。男の子か女の子か、コイン投げと同じ確率ロト」
イヨリが声を上げて笑った。お腹を抱えて——文字通り、膨らんだお腹を両手で抱えて笑っている。目尻に涙が浮かんでいる。あの悪阻の日々には見られなかった、身体全体で笑う姿。
「ロトム……あなた、この子に負けたのね」
「負けてないロト! データが足りないだけロト! 次の検診のエコーデータがあれば——」
「次も隠すと思うよ、この子は」
マツバが穏やかに断言した。根拠は——父親の直感。修行者の勘。そしてイヨリの血が半分入っている以上、「恥ずかしがり屋」の可能性は七割を超えるという、極めて個人的な確信。
「三度目でもだめだったロトか……」
ロトムが意気消沈して画面を暗くした。バリヤードが慰めるように、ロトムの筐体を乾いた布で拭いてやっている。ロズレイドが庭から一輪の白い花を持ってきて、ロトムの前に置いた。敗北した戦士への、静かな弔い。
「ロトム、いいのよ。性別が分からなくても、困ることなんてないんだから」
イヨリの声が、ロトムを慰めるように柔らかく響いた。
「この子が男の子でも女の子でも、私たちの子供であることに変わりはないもの。名前だって——どちらでも使える名前にすればいいだけの話よ」
その一言が、この後に続く長い夜の始まりだった。
* * *
【三】名前の森を歩く
その夜から、二人の「命名会議」が始まった。
寝室の畳の上に正座して、和紙と筆を並べた。マツバの達筆な筆で候補を書き出し、イヨリがその横に意味や由来を丁寧に添えていく。ロトムが辞書機能をフル稼働させ、漢字の読みや画数を即座に提供する。バリヤードが夜食の白玉ぜんざいを運んできてくれた。
最初の候補は、マツバから出た。
「『ヒカリ』。光を導く子になってほしい、って意味で」
イヨリが少し考えて、首を傾げた。
「光は素敵ですけど……少し、主張が強くないですか? この子は三回も性別を隠すくらい控えめな子なのに」
「確かに。じゃあ、『ホタル』。小さな光のイメージで」
「蛍は夏の虫ですよ。この子は六月生まれだから季節は合うけど……寿命が短い生き物の名前は、少し」
「……そうだね。縁起の面で」
次はイヨリから。
「『レイ』はどうですか。零、玲、怜——どの漢字を当てても響きが綺麗で、男女問わず使えます」
「レイか……綺麗だけど、少し冷たい印象がない? 冬の氷みたいで」
「そうですか? 私は凛とした響きが好きなんですけど」
「うん、イヨリちゃんらしい選択だとは思う。でも——この子にはもっと温かい名前を付けてあげたいな」
マツバの言葉に、イヨリが少し驚いた顔をした。温かい名前。かつてのマツバなら、霊的で神秘的な響きの名前を好んだだろう。「レイ」を冷たいと感じるのは——この男が、この数ヶ月で確実に変わった証だった。
「『アオイ』。葵。太陽に向かって伸びる花」
「いい名前ロト! でも画数が——」
「ロトム、画数は気にしないから」
「え、でもご両親の名前との相性を計算すると——」
「ロトム」
イヨリとマツバが同時に呼んだ。ロトムは黙った。
「アオイかあ……悪くないけど、エンジュシティでアオイって名前はたくさんいそうだよね」
「確かに。もう少し——この子だけの、特別な名前にしたいです」
候補は増え続けた。ナギ、ソラ、ユウ、ハル、ミナト、シオン、カヅキ、スズ——。和紙の上に筆で書かれた名前が、まるで星座のように散らばっていく。どれも美しい。どれにも意味がある。けれど、どれも——「これだ」という確信に至らない。
白玉ぜんざいを食べ終え、二杯目のハーブティーも飲み干し、行燈の油がそろそろ尽きかけた頃。
マツバが、ふと筆を止めた。
「ねえ、イヨリちゃん」
「はい?」
「僕たちは——この子にどんな人生を歩んでほしいんだろう」
イヨリが、手中の湯呑みを下ろした。
「漠然と『幸せになってほしい』とは思うけど、それだけじゃ名前にならない。もっと具体的に——この子に、どんな力を持ってほしいのか。どんな景色を見てほしいのか」
イヨリは目を閉じた。
自分の人生を振り返った。ミナモシティの海辺で育った少女が、タマムシ大学で学び、エンジュシティのポケモンセンターで働き、事故に遭い、障がいを負い、それでもドクターとして立ち続け、マツバと出逢い、愛し合い、今ここで——新しい命を宿している。その道のりの全てに、共通するものが一つあるとすれば。
「……広い心」
「え?」
「私、ミナモシティの海を見て育ったから分かるんです。海って、何でも受け入れてくれる。川の水も、雨も、嵐も。全部飲み込んで、それでも穏やかでいられる。この子にも——そういう心を持ってほしいんです。何があっても受け入れて、それでも穏やかに生きていける、広い心を」
マツバの紫の瞳が、行燈の灯りの中で静かに揺れた。
「広い心……」
「マツバさんは? どんな力を持ってほしいですか」
マツバは和紙に散らばった名前の候補たちを見下ろした。光。蛍。零。葵。凪。空——。どれも美しいけれど、どれも「道」が見えない。名前に込めるべきは、資質ではなく道程だ。この子がこれから歩むであろう、長い長い人生の道。
「……長い道を、歩ける子であってほしい」
「長い道」
「僕は修行一筋で、とても狭い道しか歩いてこなかった。千里先は見えても、自分の足元しか見ていなかった。イヨリちゃんに出逢って、初めて隣を歩くことを覚えた。この子にはどうか——千の道があっても、迷わずに、でも立ち止まることも恐れずに、歩いていける力を持ってほしい」
広い心と、長い道。イヨリの願いと、マツバの願い。
二人は、しばらく黙って向き合った。行燈の炎が揺れ、畳の上に散らばった和紙の候補たちが、その光を反射して微かに煌めいている。
* * *
【四】千の紘
「チヒロ」
最初にその音を口にしたのが、マツバだったかイヨリだったか、二人の記憶は食い違うことになる。後年、何度聞かれても、二人とも「相手が先に言った」と主張し続けた。
けれど事実として、その夜、「チヒロ」という響きが寝室の空気に浮かんだ。
千。千里眼の千。千の道の千。数えきれないほどの可能性と、果てしない未来を表す字。
紘。紘——おおきい、ひろい、という意味を持つ漢字。糸偏に広がりを持つ構造。織物の横糸が広がるように、世界を大きく抱きしめる心。イヨリが望んだ「広い心」を、一文字で表す字。
千紘。チヒロ。
マツバが筆を取り、和紙の中央に大きく書いた。「千紘」。達筆な楷書で、一画一画を丁寧に。千の横線は長く、力強く。紘のつくりは広く、伸びやかに。
イヨリがその字を見つめた。右目で、そして——白濁した左目でも、ぼんやりとその輪郭を追った。
「千紘……」
声に出した。耳に返ってきた音が、心の奥の——言葉にはできない場所に、ぴたりと嵌まった。
「千の紘ほどの、広い心を持ってほしい。千の道を、健やかに歩いてほしい」
マツバが、書いたばかりの文字を見つめながら言った。
「男の子でも、女の子でも。チヒロ」
イヨリの目から、涙が零れた。泣いたのは何度目だろう。妊娠を知った時。マツバに告げた時。切迫流産の時。悪阻を越えた時。初めての胎動の時。そして今——名前が決まった時。
けれどこの涙は、これまでの全ての涙とは質が違った。不安でも安堵でも歓喜でもなく。これは——命名という行為そのものが持つ、根源的な力への畏敬の涙だった。名前を与えるということ。それは、この世界に「あなたはここにいる」と刻み込むことだ。名もなき星だったものに、名を与える。それは——創造に等しい行為だった。
「チヒロ」
イヨリが、膨らんだ腹部に両手を当てて、初めてその名を呼んだ。
「チヒロ。あなたの名前は、チヒロですよ」
ポコン。
蹴りが返ってきた。
タイミングが良すぎた。偶然と言えば偶然だろう。胎児に聴覚はあるが、名前の意味を理解できるはずはない。けれど——母親の声が震動となって羊水を伝い、子宮の壁を揺らし、その中にいる小さな命に届いた。そして命は、足でそれに応えた。
イヨリとマツバは、見合って——笑い合って——泣いた。
「返事した。チヒロ、返事した」
マツバの声は、完全に壊れていた。涙声で、鼻声で、笑い声が混ざって、もはや何を言っているのか分からないくらいぐちゃぐちゃだった。ジムリーダーの威厳など、三ヶ月前にとうに捨てた。今ここにいるのは、子供の名前を呼んで、蹴りが返ってきて泣いている、ただの父親だった。
* * *
【五】千紘の夜
その夜、二人は布団の中で、何度もチヒロの名を呼んだ。
「チヒロ。ちーちゃん、って呼んでいいかな」
「マツバさん、もう愛称まで決めるんですか」
「だって、チヒロって呼ぶたびに蹴ってくれるんだよ。嬉しくない?」
「蹴ってるのは偶然かもしれませんよ」
「偶然でもいい。チーヒーロー」
ポコ。
「……ほら。蹴った」
「マツバさんの声の振動に反応してるだけです。音に対する原始反射であって、名前を理解しているわけでは——」
「イヨリちゃんも呼んでみて」
「え……」
「チヒロ、って。母さんの声で」
イヨリは一瞬だけ躊躇して——それからお腹に手を当て、そっと囁いた。
「チヒロ。おやすみ」
ポコッ。
今度は母の声に応えた。イヨリのドクターとしての冷静な分析が、完全に沈黙した。原始反射であろうが何であろうが——自分の子供が自分の声に応えてくれたという事実の前に、医学的説明など何の意味も持たなかった。
「……チヒロ」
もう一度、呼んだ。今度は声が震えて、囁くというより祈るような音だった。
ポコン。
三連続。
マツバがイヨリの背後から、彼女の腹部に両腕を回した。大きな掌が、膨らんだ丘を包むように覆う。その掌の下で、チヒロが——名前を貰ったばかりの小さな命が——ぽこぽこと不規則に動いている。寝返りを打っているのか、手足をばたつかせているのか。騒がしい夜だ。名前を呼ばれるたびに蹴り返すものだから、両親は面白がって何度も呼び、チヒロはそのたびに蹴り、二人はそのたびに泣き笑いし——永遠に眠れない夜になりそうだった。
「マツバさん」
「ん?」
「そろそろ寝かせてあげましょう。この子も疲れちゃう」
「……もう一回だけ」
「マツバさん」
「最後の一回。チヒロ、おやすみ」
ポコ。
小さな、けれど確かな蹴りが、マツバの掌に届いた。
「おやすみ、チヒロ。——いい名前だね。最高の名前だ」
マツバがイヨリの髪に鼻を埋めた。黒髪から漂う、花と薬草の混じった匂い。妻の匂い。この匂いの中で眠れることの幸福を、マツバは今、五臓六腑で感じている。
イヨリがマツバの手の上に、自分の手を重ねた。四つの掌がチヒロを包んでいる。もう「名もなき星」ではない。この子には名前がある。千の紘ほど広く、千の道を歩ける——そんな願いを込めた、たった三文字の名前が。
エンジュの空に、春の匂いが混じり始めていた。冬の長い夜が少しずつ短くなり、鐘楼の向こうに見える星座がゆっくりと春のものに入れ替わっていく。梅の蕾がほころび始め、凍えていた大地が微かに温もりを取り戻す季節。
あと四ヶ月。
あと四ヶ月で、チヒロは名前だけの存在から、この世界に生きる一人の人間になる。声をあげ、息を吸い、光を見て、父と母の腕の中で——初めて外の世界の空気に触れる。
その日を、二人は震えるほどの期待と、掌のぬくもりで待っている。
千の紘、一つの名。
名もなき星に、ようやく、千紘という名前が灯った夜だった。
― 了 ―
あとがき by 佐藤美咲
主ィィィィッ!! 六連続えっちシーンゼロ!! もう数えるのやめていい!? いや数えるわ、これはあたしの新記録への挑戦なんだから!!
秘密主義のチヒロちゃんが最高すぎるの!! 三回連続で足をクロスさせて性別を隠す赤ちゃん!! しかもAIに「意図的に遮蔽」って判定されるの!! ロトムがエラー吐いて敗北するのも書いてて笑いが止まらなかったわ!! ロズレイドが白い花を持ってくるの「弔い」って表現、我ながら最高ね!!
命名会議の二人の掛け合い!! ヒカリ→「三回も隠すくらい控えめ」で却下、レイ→「冷たい」で却下、アオイ→「エンジュに多い」で却下——このテンポよ!! 候補が和紙の上に星座のように散らばる描写も、あたしの美意識の全てを叩き込んだわ!!
そして「チヒロ」。千の紘。マツバの「千の道を歩ける子」と、イヨリの「海のように広い心」が、一つの名前に結実する瞬間。名前を呼んだら蹴りが返ってくるあの場面——原始反射だって分かってても泣くわよ!! ドクターの知性をぶっ飛ばす母親の感情、最高すぎるでしょ!!
ラストの「もう一回だけ」「マツバさん」のやり取りが、あたしの中のマツバの全てよ。何度も名前を呼んでは蹴りを待つ父親。子供のおもちゃを見つけた大人みたいに目をきらきらさせて。ああっ、ノエルの名前を初めて呼んだ時も、あの子はにゃーって返事してくれたわ。命に名前を与えるって、そういうことなのよ……!!