ECHOES OF ECRUTEAK

星と花の小夜曲

― マツバ × イヨリ ―
STARRING MATSUBA & IYORI

妖魔は詠う、甘美な呪文

【独白】最強の言霊

あら、こんばんは。私はムウマージ。魔術師のような帽子を被り、呪文を詠唱うのが得意なゴーストポケモンよ。

私の主、マツバもまた、言葉に力を宿す術者ね。かつての彼は、修行のために厳しい言霊を操り、ゴーストたちを従えていたわ。その声は氷のように冷たく、刃のように鋭かった。

でもね。

今の彼が紡ぐ言葉は、まるで違う魔力を帯びているの。

それは、どんな強力な呪いよりも甘く、どんな幻覚よりも深く、一人の女性——イヨリの理性を溶かしてしまう。

あんな楽しそうな「儀式」、私だって詠唱ったことがないわ。

◆ ◆ ◆

寝室の蝶番が軋む音。それすらも音楽のように聞こえる夜。

私は姿を消して、空中に漂いながら二人を見下ろす。

『イヨリ……可愛いよ。本当に愛おしい』

マツバが、ベッドに横たわるイヨリの耳元で囁く。それはただの愛の言葉ではない。彼女の脳髄を痺れさせ、抵抗する力を奪う、甘美な麻酔のような呪文。

『んぅ……マツバさんの声……頭、ふわふわする……っ♡』

イヨリの瞳はすでに潤み、焦点が合っていない。彼女はマツバの声を聞くだけで、すでに半分以上イっているようなものね。

イヨリの細い左腕には、彼女が創り上げた科学の結晶「アステア・システム」。その無機質な腕輪が、今はマツバの指に撫でられ、まるで恥じらうように明滅している。

『ここも、ここも、全部僕が愛してあげる』

マツバの唇が、イヨリの鎖骨から胸の谷間へと滑り落ちる。舌先で肌をなぞり、そこに愛の言葉を刻み込んでいく。

『ふぁぁっ……♡ そこっ、くすぐったい……でも、気持ちいいのぉ……っ♡』

『もっと鳴いて。君の声は、僕にとって最高の音楽だ』

マツバの手が、イヨリの秘めやかな泉を探り当てる。すでに溢れ出した蜜が、指に絡みつく音。ちゅぷ、ぬちゃ、という淫らな水音が、静かな部屋に反響する。

『あ、んっ……♡ マツバさんの指、入って……っ♡ かき回さないでぇ、おかしくなっちゃうぅ……っ♡』

『おかしくなっていいんだよ。僕だけを感じて』

マツバは、イヨリの感じやすい場所——クリトリスを、指の腹で執拗に擦り上げる。イヨリの身体がビクリと跳ね、アステア・システムの警告灯が赤く瞬く。科学的な数値は「異常」を示しているけれど、彼女の魂は「歓喜」を叫んでいるわ。

そして。

『愛してる。この身が果てるまで、君を離さない』

決定的な呪文と共に、マツバが身体を重ねる。

楔が、深々と打ち込まれる。

『ひぃぁぁぁっ……♡♡! 入ったぁ……っ! マツバさんの、熱いの、一番奥までぇ……っ♡』

『イヨリ……ッ! 君の中、熱い……最高だ……ッ!』

激しい律動が始まる。ベッドが軋み、シーツが乱れ、二人の吐息が絡み合う。マツバは何度も何度も、イヨリの名前を呼び続ける。まるで、彼女の存在を確かめるように。

『イヨリ、イヨリ……ッ!』

『はいっ、マツバさんっ……♡ 私、ここにいますっ……あなたの中にいますぅ……っ♡♡』

マツバの言葉は、イヨリを縛る鎖であり、同時に彼女を守る結界でもある。イヨリはその結界の中で、安心して理性を手放し、ただの雌として乱れ狂うことができる。

『イくっ……イっちゃう……っ! マツバさんの呪文で、頭とろとろになっちゃうぅぅ……っ♡♡!』

『一緒にイこう。愛してる……ッ!!』

絶頂の瞬間。部屋の空気が震えるほどのエネルギーが解放される。私たちの使う「シャドーボール」や「マジカルフレイム」なんて目じゃないわね。愛という名の爆発は、何よりも美しく、激しい。

◆ ◆ ◆

嵐が去った後。

マツバは、ぐったりと力尽きたイヨリを抱きしめ、髪を撫でている。イヨリの左腕の腕輪は、穏やかな緑色の光に戻り、彼女の寝息に合わせてゆっくりと点滅している。

『……幸せかい?』

『はい……とっても……えへへ……♡』

イヨリが、とろりと蕩けた瞳で微笑む。その顔には、先ほどまでの激しい情事の名残——紅潮した頬、乱れた髪、そして満ち足りた安らぎが浮かんでいる。

マツバもまた、満足そうに目を細める。

『明日も、明後日も、ずっとこうしていよう』

『はい……マツバさんの言葉なら、私、なんでも信じちゃいます……♡』

ふふっ。本当に、最強の言霊使いだこと。

私は帽子を直して、そっとウィンクをした。今夜は特別な魔法をかけてあげましょう。

『ムウ……(いい夢を)』

私の詠唱が、二人の安眠を守るカーテンになる。

マツバ、イヨリ。あなたたちの愛の呪文は、ゴーストの私ですらかけられないほど、永遠に解けない甘い呪いね。

どうぞ、その幸せな牢獄の中で、いつまでも愛し合っていなさいな。

― 了 ―

あとがき by 佐藤美咲

主ィィィ!! ムウマージ視点、お届けしましたわ!!

ムウマージといえば「呪文」や「詠唱」。マツバさんがイヨリちゃんに囁く愛の言葉を、彼女は「最強の呪文(言霊)」として捉えているの。

言葉一つでイヨリちゃんをとろとろに溶かし、理性を奪い、絶頂へ導くマツバさん。まさに「声」で支配する魔術師! イヨリちゃんの「声を聞くだけで頭ふわふわする」っていう反応も、声フェチにはたまらないシチュエーションよね♡

左腕のアステア・システムの明滅も、ムウマージから見れば「科学的な数値」と「魂の歓喜」の対比として描いてみました。

これでポケモン視点シリーズ8作目! 魔法使いのようなムウマージだからこそ描ける、神秘的で甘美な夜のお話でした!