ECHOES OF ECRUTEAK

星と花の小夜曲

― マツバ × イヨリ ―
STARRING MATSUBA & IYORI

道化師は祈る、愛娘の溺愛

【独白】壁越しの子守唄

あたくしはバリヤード。この屋敷でハウスキーパーのような真似事をしております。

あたくしの前の主人は、イノリ様というお名前でした。強く、美しく、そして少し悲しい目をしたお方でした。

その方が亡くなり、あたくしは遺された幼いイヨリお嬢様のお世話を任されました。お兄様がいらっしゃいますが、お嬢様は赤子の頃からあたくしがオムツを替え、ミルクを飲ませ、あやして育てたようなものですから、あたくしにとっては実の娘のような存在でございます。

お嬢様は、亡き母君によく似て、儚げで、でも芯の強い女性に育ちました。一、二年前のあの痛ましい事故で左目と左足を損なった時も、あたくしはどれほど心を痛めたことか。

ですが。

今のあたくしの悩みは、あの頃とは少し違います。

あたくしが得意とする「見えない壁」を作るパントマイム。これを使えば、どんな音も遮断し、どんな光景も見えなくすることができます。

しかし困ったことに、今の主——マツバ様の愛の熱量は、あたくしの「壁」ですら防ぎきれないようなのです。

◆ ◆ ◆

「バリちゃん、ごめんね……お願い……」

夜。寝室に入る前、イヨリお嬢様は真っ赤な顔で、あたくしにそう頼みます。

「バリアー(承知いたしました)」

あたくしは頷き、寝室の周りに幾重にも「リフレクター」と「ひかりのかべ」を展開します。これで外には漏れないはず。

けれど。

壁の内側では、毎夜、大変なことが起きています。

『イヨリちゃん。今日はどこまで許してくれる?』

『まっ、マツバさん……全部……あなたの好きなように……っ♡』

あたくしは廊下の隅で、家政婦として待機しておりますが、壁越しに聞こえてくるお嬢様の声が、日に日に甘く、蕩けるようになっていくのが分かります。

昔のお嬢様は、もっと控えめで、「いけません」や「ごめんなさい」が口癖でした。それが今や、どうでしょう。

『ふぁぁっ……♡ そこっ、すごいのぉ……っ♡』

『ん、ぁあんっ……♡ マツバさんの指、奥までぇ……っ♡』

壁を震わせるほどの嬌声。あたくしがオムツを替えていたあの小さなお嬢様が、雄に愛され、快楽を貪る「雌」になっている。母親代わりとしては、嬉しくもあり、少し複雑でもあり……イノリ様、天国で見ていらっしゃいますか? あなたの娘は今、こんなにも愛されています。

『今日は激しくするよ。耐えられるかい?』

『はい……マツバさんのなら、壊れてもいい……っ♡』

『壊さないよ。大切に、何度も直してあげるから』

マツバ様というお方は、一見クールな美丈夫ですが、その本性は灼熱のマグマのようです。お嬢様への執着は凄まじく、一度スイッチが入ると、お嬢様が潮を吹いて気絶するまで許しません。

『あ、だめぇ……っ! そこ、もう限界っ……!』

『限界じゃないよ。ほら、こんなに溢れてる』

水音が響きます。お嬢様の秘所から溢れた愛液が、シーツを濡らす音。あたくしは明日、このシーツを洗うのです。もう慣れましたけれど、最近の汚れ方は尋常ではありません。

『イくっ……イっちゃう、イっちゃうのぉぉッ!!』

『イヨリ……ッ! 全部出して、僕の前で!』

バシャン、と何かが弾ける音。

お嬢様の身体から、噴水のように聖水が迸る。一度や二度ではありません。マツバ様が執拗に弱いところばかりを攻めるので、お嬢様は何度も何度も、身体中の水分がなくなるのではないかと心配になるほど潮を吹かされています。

『ひぃぃっ……♡ また、出ちゃったぁ……っ』

『いい子だ。もっと僕色に染まって』

マツバ様は、濡れそぼったお嬢様を愛おしそうに舐め上げ、そしてまた楔を打ち込みます。

『あぁっ、入ったぁ……っ♡ マツバさんの、熱いのぉ……っ!』

左腕のアステア・システムの表示が、激しく明滅しているのが壁越しにも感じ取れます。心拍数はレッドゾーン。でも、お嬢様の魂は歓喜で満ち溢れている。

お母様のイノリ様の夫君・イゴウ様は無骨な方でしたが、家族への愛は海より深いお方でした。お嬢様もまた、そんなご両親の愛を受け継いでいます。

たとえそれが、少し行き過ぎた溺愛だとしても。

『マツバさんっ、好きっ……蕩けちゃう……っ♡♡』

『愛してる……一生、僕の腕の中で蕩けていて』

激しいピストン。お嬢様の絶叫。そして、再びの放水。

部屋の中は、むせ返るような愛の匂いで満たされています。あたくしの「壁」がなければ、屋敷中のポケモンたちが起きてしまうでしょう。

夜明け前。

ようやく静かになった寝室。

『……あ……』

お嬢様の小さな声が聞こえました。

『おねしょ……しちゃったみたいに……ぐしょぐしょ……』

『僕が綺麗にするよ。大丈夫』

『……ありがとうございます……えへへ、幸せ……♡』

その声を聞いて、あたくしはそっと胸を撫で下ろしました。

幸せなら、それでいいのです。

あたくしは明日も、最高の朝食を用意して、洗濯機を回します。それが、亡きイノリ様への、そして愛するイヨリお嬢様への、あたくしなりの愛の形ですから。

― 了 ―

あとがき by 佐藤美咲

主ィィィ!! バリヤード(育ての親)視点、書かせていただきましたわ!!

イヨリちゃんのお母様(イノリさん)の代から仕えている古株ポケモンならではの、「親心」と「複雑な心境」が入り混じった視点。赤ちゃんの頃から知っているお嬢様が、マツバさんに開発されていく様を壁越しに見守る……これぞ背徳の極み!!

特にこだわったのは「シーツの洗濯」への言及ね。「最近の汚れ方は尋常じゃない」っていう一文に、夜の激しさを凝縮させたわ。潮吹き描写も、バリヤードの冷静な(でも心配な)視点を通すことで、より生々しくなったんじゃないかしら?

最後は「幸せならそれでいい」と全てを受け入れるバリヤードの愛。マツバさんの重たい愛と、バリヤードの温かい愛に包まれて、イヨリちゃんは本当に幸せ者ね♡